シルバーの変色は正しくは硫化です。 「酸化」と思われている方が多いのですが、銀というのは数100℃の炎で加熱しなければ酸化しません。
放置しておくと変色するのは空気中の硫化水素、水分中のオゾン、二酸化炭素と反応して硫化銀となるためです。また、塩素と反応しておこる塩化銀も黒化させます。塩素系漂白剤によっても黒くなります。
ゴムから発生するガスも変色を早めるものがありますのでゴム製ディスプレーにはご注意ください。ギフトBOXに使用されるゴム系接着材、輪ゴムなども変色を速めます。うっかりゴム型とチェーンを一緒に置いたりしないように。たとえビニール袋に入ったチェーンでもゴム型と接触して放置しますと燻した色に接した個所のみ変色します。合成ラバーとシルバーを組み合わせた製品にはロジウムメッキされ市販されているものもあります。
ビニールに密封することで裸のままよりは多少は変色を抑えることは抑えますが、ビニール系からも変色の素となる塩素ガスがごくごく微量ですが発生しています。ジッパー付きでも空気を透過しますので1年以上の長期間置けばところどころ黒ずみます。エアコンの近くに放置した場合もエアコンなしの状態に比べて2倍速く変色します。手のあぶらなど付着物をよくきれいにふき取り、陽の当らない湿度の低いところでの保管をお薦めします。
いぶし銀
黒くなった銀を味として好む傾向が原宿、渋谷で見られます。真っ白のピカピカな状態よりも、チェーンとチェーンの内側がうっすら落ち付いた色になり、外はきれいに磨かれた陰影の出ているシルバーチェーンが最も人気なのです。
それ以外の黒色化
お客様が長期間、夏などに身につけて黒くなるのは硫化でなく、頑固なたんぱく質ですので、シルバーをバフがけしてもなかなか取れませんが、粉末マジックリンをお湯で溶き、1日浸せば、あとは超音波洗浄機で1秒で光沢を取り戻しますのでお試しください。
台所洗剤などでも油分をきれいにしますが、界面活性剤にも硫黄成分が含まれているので1晩洗剤液に放置してしまうと少し黄色くなってきます。
液体シルバークリーナーはあまりお薦めしておりません。どうしても液が細かい部分に残り、浸ける前よりもっと早く赤っぽく変色することになりますし、液体のうわずみに塩化成分が浮いてきているので気をつけてください。
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